通常技夜刀羽流無空殺法

夜刀羽家先代当主である彼が禁星家の退魔技術を取り入れることでより強力に改められた退魔暗殺術。強力な自己暗示による身体強化や即効呪術、隠業などを内包する複合暗殺術。

キャラクタープロフィール

故人。
夜刀羽の先代当主。

常に穏やかかつ物腰柔らかで、決して感情を荒げることのない冷静な人物。一方で得体の知れない不気味な空気感を纏ってもいる。

幼少期から無口な子だった。
兄に夜刀羽魚鷹(うおたか)、姉に夜刀羽雀鷂(つみ)を持つ三兄弟の末子。
夜刀羽の使命に全霊を注ぐ父に憧れを持っており、才能は無いと告げられても決して折れることなく弛まぬ努力を積み重ねた。
兄の魚鷹は呪術の天才として、姉の雀鷂は刃の天才として持て囃された。しかし才能にかまけて努力を怠ったため、成人する頃にはどちらの技量でも怪鴟が遥かに上回っていた。

夜刀羽邸の裏には悪霊の巣窟への入口があり、厳しい鍛錬を行う時にのみ用いられるのだが、怪鴟は兄姉から夜刀羽の家督相続権を奪うと決意してからは毎日のようにそこに通い詰め、地獄のごとき自己鍛錬を繰り返していたのだ。

家督を相続した怪鴟は、閉鎖的かつ内輪で完結した分家との関係や、平穏に溺れ研鑽を怠っている現状に強い忌避感を感じていた。
｢礎となり人を護る｣という本来の使命を思い出させるため、あるいは邪魔者を始末するために、一族を悪霊の巣窟へ幽閉するという非道を強行する。
怪鴟は「腐り果てた一族。誰ひとり生還することは無いだろう」と諦観していたが、唯一瑠璃という女のみが生き延びた。

瑠璃が壮絶な蠱毒を生還できたのは、彼女の中にひとつの覚悟があったからだ。
瑠璃は幼い頃から怪鴟と接することが多く、彼が残虐な人間でないことは知っていた。その怪鴟が何故一族全員を悪霊の巣窟に幽閉したのか、彼女はどうしても知りたかった。
怪鴟にその理由を問い質すまで死ぬ訳にはいかない──その覚悟故に彼女は生き延びることができた。

怪鴟から全てを聞いた瑠璃は、使命に囚われた彼を憐れみ、生涯をかけて彼を支えると決めた。
後に怪鴟と瑠璃の間に設けられた子が告天子たちである。