キャラクタープロフィール

チャン・ナ・ノウザが起こした食人事件を生き延びたジ・ティンニ族のひとり。
負傷したナビスを連れて村を脱出したピソンは、山奥の洞窟に身を隠し、ひっそりと暮らし始めた。人目を避けて山を下り、情報や道具、食料を持ち帰りながら、彼は懸命にナビスを支え続けた。しかし、次第に食事を拒むようになった友の姿に、彼の不安は日ごとに募り、心を締め付けた。
今や無二の友であるナビスが、このまま飢えればノウザのように「猟乱状態」に陥ることは避けられない運命だった。ピソンは友を殺すなどという選択肢を想像することすら耐え難かった。必死に食事を摂らせようとあらゆる手を尽くしたが、何ひとつ効果を上げられず、ついにその日が訪れた。

物音で目を覚ましたピソンの前で、両眼をぎらつかせたナビスがじっと彼を見つめていた。用心のため数日前に縄で固く縛り上げていたため身動きは取れずにいたが、牙をカチカチと鳴らし、何かに噛みつこうとするその姿には、かつての優しい友の面影は跡形もなく消えていた。
変わり果てた友の姿を前に、ピソンは静かに弓を手に取り、涙を流しながらその額を射抜いた。