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コラボコメント

自作小説好きなシーンの挿絵っぽいシリーズ。


「なんだよこれ! こんなの着させようなんて何のつもりだ、この変態!」
 酷い言われようである。私は呆れた顔でため息をつく。
「いいから着てくれよ。お前だって好きだろ? クスダンの部屋に同じものが隠してあったのを見たぞ」
「ばっ……」
 リョドルは顔を真っ赤にして焦り始めたが、バレていることを悟ると大人しく受け入れるらしい。大きなため息をついた。
「好きだけど、自分で着て遊ぶだけの趣味みたいなもので……酷く見苦しいぞ?」
「見苦しくなんかないよ。絶対似合うって確信している」
 そう力強く微笑んでやると、観念したようでまた部屋に引っ込んでいった。着替え自体はすぐに済んで、今度はこわごわと震えるような仕草で扉を開けてきた。
 よほど恥ずかしがっているらしく、自分から出てこようともしない。
 仕方なく部屋の中に入ると、やっぱり真っ赤な顔でもじもじしながらその服を着て立っていた。……なんてことはない、ズミ人の女が着る、ごく一般的な普段着だ。
 私はそれを見て、後ろを振り向かせて壁に立てかけている姿見にその姿を映す。
「ほら、可愛い」
 後ろから抱き締めてそう言ってやるが、リョドルは照れているだけで何も言わない。
 恥ずかしがるだろうと思って露出は極力少ないものを選んだ……首元もきっちりと留められていて、当然冬物だから布地は厚く、ゆったりとした袖は指先まで隠れるほどに長く、腰紐は水面を泳ぐ魚の意匠を縫い込んだ上品なもの……そしてその下からゆるりと足首まで降りた、膨らみの少ないスカート。
 刺繍の趣や裾の布地の色こそ男物より華やかだが、正直トレンティア人の感覚から言えばズミ人の服なんて男も女も大差ない。せいぜい下半身の股が分かれているか筒になっているかというだけである。しかも男物でさえ、貴族が着る服などはぱっと見て股が分かれてるのかどうか見分けがつかないぐらいゆったりとした形のものが多い。
 それだけの違いでそんなに恥ずかしがるようなことではないと思うのだが……、ズミ人の目にはこれも見苦しいのだろうか?

(169話より)

そしてパウルの言う通り、全然女装感はないw

コラボキャラ

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3

リョー

※「リョドル」はリョーの本名

敬法

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4

パウル

※文中の「私」。

敬法


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アーティスト

敬法 NEO

きょうほうって読みます。煩悩まみれの坊主です。

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