コラボコメント

一応夫婦で前に描いたペア画があったので上げ。
子どもも複数いる夫婦だけど、どちらかというと貴族としての政略戦での仲間という意識。子育ては使用人に任せきり。
仲間としての信頼関係は深い。

以下本編小説より一部抜粋。

　カルロスは暗い目のままで口元だけを笑みの形にしてくつくつと笑い声を上げた。
「ズミ軍は既にシュナートを出発し、我々の元を目指しています。迎撃の準備をいたしましょう、ロード殿。……リナ、お前も準備を」
　そうカルロスは、話からして妻らしいその女性に軽く声をかける。
　そう言えばそうだ、ロードとカルロスは義理の兄弟だという話だった。カルロスの妻にしてロードの姉……確か名前をリナ・オルエッタと言ったはずだ。
　オルエッタはくすりと美しく微笑んで頷き、一人先にしずしずと部屋を後にするらしい。それを見て、ラファエルは渋そうに眉を寄せてカルロスを睨んだ。
「まさか姉上まで戦闘に巻き込むつもりですか？　パーティルでの監督程度ならともかく、さすがに本隊の作戦行動には……」
　しかしその抗議には、カルロスではなくオルエッタ自身が堂々と力強く微笑んで振り向く。
「安心してください、本隊の戦闘になど関わりませんし、殿方の戦の邪魔もしませんわ。あなたにも報せは行っているかと思いますけど、お父様から兵を貸していただいていますの、護身の心配も御無用……、わたくしはわたくしのやるべきことをやるだけよ」
　カルロスはそんな妻を睨んでつまらなさそうに吐き捨てる。
「パーティルの時もそう言って、おめおめとズミ軍に捕まってきたくせに……。父上が助けてくださったからいいものの、毎回そう都合よく助けがあるとは思うなよ。……警戒は万全にしておけ」
「もちろん承知しておりますわ。では急ぎの準備がありますのでわたくしはお先に……。神聖なるトレントと勇猛なるフォスの加護があらんことを……ご武運をお祈りしますわ、カルロス様、ラファエル」
　軽めながらも貴族らしいドレスを纏った姿でそう優雅に礼までして見せた。

（146話「血まみれの旗」）

最終更新日時： 2024/11/17 22:38