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コラボコメント

義理の母子でありながら両思いの禁断の恋人同士。

姫と騎士の許されない恋仲! お伽噺みたいな耽美感があります。
でもクラウスさんの方には妻子が別にいるので、親子でなくても普通に不倫(

以下本編小説より一部抜粋

「ええ、私達は間違いなく……彼を裏切ったのです。覚悟をお決めください」
 その重たい言葉は、しかしそれとは裏腹に柔らかい声で告げられた。
 震えている私の弱い姿を見逃しはしまいと、ジャック(※)は真っ直ぐ私の目を覗き込んでくる。いつの間にか息がかかるほどに顔が近い。
「当主を裏切ったのです、私もあなたも既にカディアル家の人間ではない。私は彼の息子ではないし、あなたももはや彼の妻ではない」
 そう独白するように言って、その大きな手で私の頬を撫でてくる。その時やっと、彼の意図が……分かってしまった。思わず目を見開く。
「彼を裏切るその覚悟を……、確かめてもいいですか、グロリア様(※)
 確かに二人で彼を裏切ろうと、そう語りかけてきているのだ。
 生死の境があまりに近い戦場の中、一瞬も緊張を解けない体でがむしゃらに戦った、その高ぶりがまだ収まらないままで、私は次第に思考さえも遠のいていくのを感じた。
「好きにしたらいいわ」
 まるで投げやりな返事しかできなかった。もう、何もかもが分からない。
 逃げるように目を閉じた世界で、柔らかく抱きしめられたのが分かった。歳をとっても小さいままの体は、容易くすっぽりと男の腕の中に収まってしまう。
「ジャック・クラウスというただ一人の男としてあることを、今だけでも……どうかお許しください。あなたを愛しています」
 瞼を閉じた真っ黒の視界の中で、耳元で囁かれた彼の声は頭の中を掻き回すように響いて、やがて腹の底へ重たく沈んでいった。
 ……子どもの頃は、この人と結婚するのだと思っていた。その静かな佇まいと、剣を振る猛々しさに憧れていた。人の悪意と野望に揉まれて歳を取るうちに、既に恋だの愛だのという言葉は陳腐に色褪せてしまっていた。
 今更になって、この戦慄に満ちた異国の戦地で確かめる、口の中を切っていたのだろうか、初めて重ねた彼の唇には濃い血の味が滲んでいた。

(123話「裏切りの証明」)
※ジャック、グロリアはそれぞれクラウス、エレアノールのファーストネーム

最終更新日時: 2024/11/15 22:56

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アーティスト

敬法 NEO

きょうほうって読みます。煩悩まみれの坊主です。

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メンバー

全17種

カップル絵のネタをくれ

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