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コラボコメント
ジュリを投稿できたので過去絵よりカップル絵。
純愛のほほんカップルです。
以下、本編小説より一部抜粋
「……ヨン? どうかしたんですか」
僕の顔をじっと見つめて言ってくる。まだ涙の痕が晴れきっていなかったのだろう。
僕は気まずくなって目を逸らした。ジュリはなおも、僕の頭から手を離してくれない。
「あの、何かあったのなら言ってください。……アルド先生は助かったんですよ? あなたの手で助けることができたんですよ? それなのにどうして……、そんな悲しそうな顔をするんですか」
そう聞いてくる様子は彼女も何か必死なようだった。思わずもう一度視線を合わせる。不安そうな、思い詰めたような黒い瞳が少しだけ揺らめいている。
「そうしていつもあなたは黙ってしまう。全然言葉にしてくれない。最初は人間の感情がないんじゃないかと思ってましたよ。……だけど違うでしょう、今までも一人で泣いていたんですか? 一人で抱え込んでいたんですか?」
一度喋りだすと止まらなくなった、そんな様子でジュリはまくし立てた。
「そういうわけじゃ……」
僕は思わず否定の言葉を言ったが、自分でもよく分からない。やがてぐっとジュリの切なそうな顔が近付いてくる。
「……お願いです、何かつらいことがあるのなら話してください。私では何の力にもなれなかったとしても……、私はあなたのことが知りたいです。あなたのことが……好きだから……」
(76話「初めて出会った日のことを、憶えていますか」)
純愛のほほんカップルです。
以下、本編小説より一部抜粋
「……ヨン? どうかしたんですか」
僕の顔をじっと見つめて言ってくる。まだ涙の痕が晴れきっていなかったのだろう。
僕は気まずくなって目を逸らした。ジュリはなおも、僕の頭から手を離してくれない。
「あの、何かあったのなら言ってください。……アルド先生は助かったんですよ? あなたの手で助けることができたんですよ? それなのにどうして……、そんな悲しそうな顔をするんですか」
そう聞いてくる様子は彼女も何か必死なようだった。思わずもう一度視線を合わせる。不安そうな、思い詰めたような黒い瞳が少しだけ揺らめいている。
「そうしていつもあなたは黙ってしまう。全然言葉にしてくれない。最初は人間の感情がないんじゃないかと思ってましたよ。……だけど違うでしょう、今までも一人で泣いていたんですか? 一人で抱え込んでいたんですか?」
一度喋りだすと止まらなくなった、そんな様子でジュリはまくし立てた。
「そういうわけじゃ……」
僕は思わず否定の言葉を言ったが、自分でもよく分からない。やがてぐっとジュリの切なそうな顔が近付いてくる。
「……お願いです、何かつらいことがあるのなら話してください。私では何の力にもなれなかったとしても……、私はあなたのことが知りたいです。あなたのことが……好きだから……」
(76話「初めて出会った日のことを、憶えていますか」)
最終更新日時: 2024/11/15 18:24
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