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イラスト説明
【堕天の経緯】
フェルディナンドは天使時代から天使の翼への関心が高く、他の天使たちの翼を見かけては惚れ惚れと眺めるのが常だった。
中でもシャリテには翼を観察したり触れさせてもらう事が多く、親密な関係であった。
ある時、シャリテが自ら切り落とした翼をフェルディナンドに与えた。フェルディナンドが翼に並々ならぬ興味を持つことを知る彼の善意だったのだろう。フェルディナンドは渡されたそれを見て頭を打ったように大きな衝撃を受け、目が離せなくなると同時に自分の中の何かが崩れ落ちてゆくような感覚がした。
しかし本体から切り離された翼は実体を維持する機能を失い程なくして消失してしまった。
その出来事以降切り落とされた翼が頭から離れなくなり、何をしていても両手に乗せられた翼を想起してしまう日々が続いていた。
ふとした時、天使たちの翼を狩り取って所有できたらどんなに素晴らしいだろう、という考えが脳裏をよぎった。
はっとして一瞬前の自分の思考に吐き気を催すが、その手で覆われた口元は不気味な弧を描いていた。
その日から切り落とした翼を維持する手段を探し始め、自身の翼を切り落として実験台にし秘密裏に研究をするようになった。
突然片翼が無くなったフェルディナンドに異常を感じる天使も居たが、その時点で既に後戻りできない状態だった。
幾たびの実験を重ね遂に物質固定の魔法が完成した。先ずは自分の実験に使っていなかった方の片翼を切り落とし魔法を使った。完璧だ。何時間経ってもその場で美しく形を保っている。これなら他の天使たちにも同じようにできるだろう。
思い描いていた景色に手が届く歓喜とともに武器をとった。
見つけた天使を手当たり次第に襲いかかり、翼を奪い、次々と手にかけていった。悲鳴を聞きつけて激昂した天使たちが向かってくればそれらを倒し翼を奪った。その光景はまさに惨状だった。
フェルディナンドの凶行を止めたのは奇しくもシャリテが堕天した後に就いた現在の熾天威星第四位だった。フェルディナンドは研究に没頭していたあまり気付いていなかった。シャリテが堕天したことも、彼がその空席に就いていたことも。
ある程度の戦闘力があったフェルディナンドだが熾天威星に敵うはずもなく無力化され、戦闘能力の剥奪と天界追放の処分が下された。
フェルディナンドは天使時代から天使の翼への関心が高く、他の天使たちの翼を見かけては惚れ惚れと眺めるのが常だった。
中でもシャリテには翼を観察したり触れさせてもらう事が多く、親密な関係であった。
ある時、シャリテが自ら切り落とした翼をフェルディナンドに与えた。フェルディナンドが翼に並々ならぬ興味を持つことを知る彼の善意だったのだろう。フェルディナンドは渡されたそれを見て頭を打ったように大きな衝撃を受け、目が離せなくなると同時に自分の中の何かが崩れ落ちてゆくような感覚がした。
しかし本体から切り離された翼は実体を維持する機能を失い程なくして消失してしまった。
その出来事以降切り落とされた翼が頭から離れなくなり、何をしていても両手に乗せられた翼を想起してしまう日々が続いていた。
ふとした時、天使たちの翼を狩り取って所有できたらどんなに素晴らしいだろう、という考えが脳裏をよぎった。
はっとして一瞬前の自分の思考に吐き気を催すが、その手で覆われた口元は不気味な弧を描いていた。
その日から切り落とした翼を維持する手段を探し始め、自身の翼を切り落として実験台にし秘密裏に研究をするようになった。
突然片翼が無くなったフェルディナンドに異常を感じる天使も居たが、その時点で既に後戻りできない状態だった。
幾たびの実験を重ね遂に物質固定の魔法が完成した。先ずは自分の実験に使っていなかった方の片翼を切り落とし魔法を使った。完璧だ。何時間経ってもその場で美しく形を保っている。これなら他の天使たちにも同じようにできるだろう。
思い描いていた景色に手が届く歓喜とともに武器をとった。
見つけた天使を手当たり次第に襲いかかり、翼を奪い、次々と手にかけていった。悲鳴を聞きつけて激昂した天使たちが向かってくればそれらを倒し翼を奪った。その光景はまさに惨状だった。
フェルディナンドの凶行を止めたのは奇しくもシャリテが堕天した後に就いた現在の熾天威星第四位だった。フェルディナンドは研究に没頭していたあまり気付いていなかった。シャリテが堕天したことも、彼がその空席に就いていたことも。
ある程度の戦闘力があったフェルディナンドだが熾天威星に敵うはずもなく無力化され、戦闘能力の剥奪と天界追放の処分が下された。
最終更新日時: 2022/08/01 01:21
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