『妖狐キトアコ』の設定資料

ある野狐の昔話
投稿日: 2022/02/17 14:00

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イラスト説明

むかしむかし、あるところに、一匹の野狐がおりました。

悪戯好きな野狐は、村のはずれの森に迷い込んだ人間に幻を見せて驚かすのが大好きでした。
ある日、いつものように村のはずれの森に行って人間がいないか探していると、運悪く村の人間たちが仕掛けていた罠にはまって捕まってしまいました。

村に連れて来られると、村で一番偉い豪族が野狐を見ながら周りの者と話しをしているのが聞こえました。
「おお、りっぱな狐が捕まりましたな。毛皮をお召し物にして、肉でご馳走を作りましょうか?」
「いいや、この狐は土地神様に献上しよう。霊力の強い狐だからきっとお喜びになられるだろう。」
「では、土地神様をお呼びする準備をしてまいります。」

野狐は逃げ出そうとしましたが、それを見た豪族が周りの者に命令し、逃げられないよう痛めつけられ後ろ足を潰されてしまいました。
もう何もできなくなった野狐は、そのまま土地神様に食べられて命を落としました。

豪族たちのことを強く強く恨みながら死んだ野狐は、恐ろしい怨霊になり土地神様の腹を食い破って出てきました。
野狐の怨霊は、仕返しに豪族や付き従っていた者たちをみんな呪い殺して土地神様も食べてしまいました。

土地神様を食べた野狐の怨霊は、土地神様が持っていた豊穣の力と神通力を手に入れて、大きな力を持った妖狐へと生まれ変わりました。

土地神様と豪族が死んでしまったことを知った村の人々はひどく悲しみ途方に暮れました。しかし中にはこれを喜ぶ者もいました。
後に由田家と呼ばれるその一族は、豪族の支配を良く思っていませんでした。いつか豪族に取って代わって村の長になるためにじっと機会を待っていたのです。

かれらは、妖狐のもとへ来てこう言いました。
「私たちはこの村の次の長になり、あなたをこの村の次の神様としてお迎えいたします。その代わりに、私たちに御加護をお与えください。」
妖狐はくつくつと笑い、ならば。と、こう続けました。
「村のはずれの森に俺が住む社を造れ。お前たちの一族から代ごとに一番最初に産まれた子供を俺の体の代わりとなる器として差し出せ。美味い食べ物を毎日持ってこい。そうすれば、お前たちのためにこの力を使ってやろう。」

新しく村の長になった一族はその言葉に従い立派なお社を造り、そこへ毎日食べ物を持っていき、代々一番目の子を妖狐に差し出し二番目以降の子を後継ぎとして育てました。
新しい長の働きに満足した妖狐は村の作物を沢山実らせ、厄災を遠ざけてやりました。時には悪戯もしましたが、村はとても豊かになってゆきました。

やがて、我が子の姿をした御神体は救人吾子(きゅうとあこ)様と呼ばれるようになりました。

最終更新日時: 2022/02/17 14:04

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エレノア NEO

えっちなおにいさんはいいぞ

:57 :44 :13

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