ドキュメント
A.P.85年、東の大国スーシャでは戦闘機による時間遡行が可能となっていた。
フスフッド戦役と呼ばれた西の国家ウェスティリアとの戦争から30年が経っていたが、対立が無くなることはなく、科学技術の急速な発展と軍備拡張が続いている。
スーシャの軍人であるレシェクは、国家への反逆となる「ある作戦」に参加する。
アデライダ作戦。戦闘機の略奪と時間遡行による過去の改変によるフスフッド戦役自体の消去。
失われた祖国フスフッドと、母の笑顔のために。
【フスフッド戦役】(A.P.45~A.P.55)
東の大国スーシャと西のウェスティリア間で行われた戦争。
二国に挟まれたフスフッドが主戦場となったことからこの名で呼ばれる。
10年間の長きにわたり続いた戦争は多くの被害をもたらしたが、スーシャ側の勝利で終結する。
【フスフッド】
東にスーシャ、西にウェスティリアと国境を接する国。
フスフッド戦役時ウェスティリア陣営につくが、敗戦と同時にスーシャに吸収され消滅する。
【時間遡行】
過去へのタイムトラベル。
85年前(=A.P.0)に概念が生まれた後、戦闘機を改造することでスーシャが遡行の手段を得た。
理論上は未来へのタイムトラベルも可能だが、戦闘機の推進力に加えて現時点で存在する物体の遡行先での存在確率を利用しているため、目的地は過去とすることが一般的である。
【A.P. 】
After Parallelization。時間遡行の概念が生まれた年をA.P.0とし、その年からの年数を数えた紀年法。
A.P.0以前は平行世界の存在は証明されていない。つまりA.P.85現在、85年前までが事実上の時間遡行の限界である。
【アデライダ作戦】(A.P.85~)
元フスフッド人を含むスーシャ軍の一部によって計画された、時間遡行による過去の改変作戦。
フスフッド戦役の被害を減らし、最終的にはこの戦争自体を過去から消滅させることが目標である。
過去の改変には複数の平行世界で同じ事象への介入を行い、人々の認識レベルまで含めたゆらぎを起こさねばならない。
【戦闘機 SW-9T】(A.P.81~)
スーシャ軍が開発した戦闘機の時間遡行用改修型。
A.P.77に原型SW-9が開発されているため、それ以前への時間遡行では既にある存在確率利用法に加えてエンタングルシステムによる観測を行っている。
【エンタングルシステム】
SW-9Tより搭載された時間遡行の成功率を上げるシステム。
量子力学の非局所性を応用し、最も相関の高い(=成功確率の高い)ポイントを選択することができる。
(随時更新予定)